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「水力発電所に行こう!― 137歳の三居沢発電所を見学し,発電実験をして電気をつくろう―」を開催しました

投稿日:2025/09/13

たまきさんサロンスタッフです。
8月8日(金)に三居沢電気百年館 (仙台市青葉区荒巻)」にて、「水力発電所に行こう!― 137歳の三居沢発電所を見学し,発電実験をして電気をつくろう―」と題したサロン講座を開催しました。
仙台市青葉区三居沢は日本の水力発電発祥の地であり、東北で電気の明かりが初めて灯った場所です。
今回の講座では、国内でも珍しい、市街地に位置した「三居沢電気百年館」を見学した後、いろいろな教材を使った発電実験をして暮らしにかかせない電気について考えてみました。


三居沢発電所建屋(左)と三居沢電気百年館(右)

三居沢発電所は、明治21年(1888年)7月1日に水車発電機を使った発電を開始しました。今年で137年目となりますが、現在でも発電を続けています。
日本で初めて電灯が灯ったのが明治11年(1878年)だったので、その十年後には仙台でも電灯がついたことになります。
今回見学した「三居沢電気百年館」は、運転開始百年目を記念して昭和63年に建てられた2階建ての施設です。隣接している発電所の木造平屋建ての建屋は、明治41年(1908年)に建てられたもので平成11年(1999年)には国登録有形文化財にも登録されています。

 

【発電所の歴史や水の流れがわかりやすい動画を鑑賞】
はじめに「三居沢電気百年館」の佐藤さんから、三居沢発電所の歴史と水力発電の仕組みなどについて、動画を見ながら詳しく教えていただきました。



三居沢電気百年ギャラリー】
1階の「三居沢電気百年ギャラリー」には、三居沢発電所の歴史がわかる資料が多数展示されています。

三居沢発電所の水車を回す水は、広瀬川の水を使っています。これはどこから取っているのでしょうか? 発電所付近の水を汲み上げているのではありません。実は2km上流の青葉区の郷六という所から開渠部383mの水路を造り、さらに山中に1682mの隧道を掘り、取水した水を引き込んでいるのです。つまり、上流と下流の自然の標高の高低差を利用して、広瀬川の水を引いているわけです。こうすれば、わざわざ水を汲み上げるエネルギーがいらなくなります。
約2kmの水路を流れて来た水は、発電所の上に設置された水槽に貯められ、水圧鉄管を流れ落ちて発電所建屋内の水車を回しています。水車の主軸は発電機につながっていて、発電機に回転が伝わり電気エネルギーが発生する仕組みです。
水車を回した後の水は、放水路を通って再び広瀬川に放流されます。(牛越橋付近)
発電所で発電された電気は、隣接している変電所で電圧が調整され、電線(配電線)を通って私たちの家などに送られて来ます。
三居沢発電所は、最大1,000kWの発電能力があるというお話でした。(1時間に1,000kWhの電力量を発電できる能力)
ちなみに標準的な1世帯あたりの年間消費電力は、平均4000kwhと言われています。


【水圧鉄管(手前)と余水管(奥)】
落差27m長さ45mの水圧鉄管の中を毎秒2.27立方メートルの水が流下しています。



【水車発電機室内部】
水車と発電機は、いずれもドイツ製の機器が使われています。
建屋内は無人で、遠隔管理制御されています。

後半は「三居沢電気百年館」の2階にある「水と森のアトリエ」に移動して、教材を使った発電の実験に挑戦してみました。
東北電力株式会社宮城支店の大石さんから、どのようにして電気がつくられているのかを詳しく教えていただきました。


水と森のアトリエ
ここは内装素材に木製品を多く用いて、三居沢発電所に関係の深い広瀬川や青葉山の自然について、仕掛けジオラマや図書、動画などで自由に楽しく学ぶことができる素敵な空間になっています。



【発電所の模型】
水を沸騰させ、発生した水蒸気をタービン(羽根車)の羽根に直接当ててタービンを回し、その回転する力で発電する仕組みです。火力発電所や原子力発電所、地熱発電所は、この仕組みを使って発電しています。こうしてつくられた電気が、電線を通して家庭や工場などに送られる様子までわかる発電所の模型です。実際に発電して電灯を光らせてみるという実験を行いました。わかりやすく楽しい実験装置です。



【発電コイルの実験】
エナメル線(絶縁塗装された銅線)が巻かれたコイルの中を磁石を通過させ、電磁誘導の原理で電気を発生させることができます。磁石が通過すると、コイルに接続したLEDが光ります。
発電所の発電機は、この電磁誘導を利用して電気をつくりだしています。



【光発電の実験】
今回は、太陽光の代わりに強力なライトを光電池パネルに当ててみました。光のエネルギーが電気に変換されてプロペラのモーターを回すことができました。小さな光発電によっても小型扇風機を動かすことはできるのですね。



【手回し発電機の実験】
手回し発電機を使って白熱電球、蛍光灯、LED電球を点灯させるのに必要なエネルギーを比較してみました。白熱電球を点灯させるのが、一番エネルギーを必要とすることが体感できました。



【いろいろな教材を使った発電実験に挑戦してみました!】
その他にも、ウチワの風で風車を回して電気をつくる風力発電の実験など、簡単に発電のしくみがわかる教材を使った体験実験を行いました。

電気をつくり出す方法には様々な方法があるということ、そしてその電気で作動する多くの電化製品には、たくさん電気を必要とする物や少ない電気でも使える物があるということを、今回の講座で学ぶことができました。
運転開始以来137年目となる現在でも、まだ発電を続けている水力発電所が仙台の市街地にあるということには、参加者の皆さんも驚いていました。そんな「三居沢電気百年館」を見学し、発電実験も楽しく体験できてとてもよかったという感想を、参加者の皆さんからたくさんいただきました。
水力発電は自然界の水を使ってエネルギーを生み出す再生可能エネルギーであり、発電のための燃料が不要で二酸化炭素を排出しない環境にやさしいクリーンエネルギーということも学ぶことができました。
講師を務めていただいた大石さん、三居沢電気百年館のご説明ご案内をしていただいた佐藤さん、ありがとうございました。また講座にご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

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