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「あらためて学ぶ〜SDGs基礎講座〜」を開催しました。

投稿日:2023年05月13日(土)

このイベントは終了しました。

 たまきさんサロンスタッフです。4/22㈯のサロン講座は、「あらためて学ぶ〜SDGs基礎講座〜」と題して、東北環境パートナーシップオフィス/東北地方ESD活動支援センターの鈴木美紀子氏を講師にお迎えして開催しました。

 「SDGs」(エス・デイ・ジーズ Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)という言葉は、企業や教育現場でも取り上げられ、私たちの日常生活でも盛んに飛び交うようになって、社会的にも広く普及しつつあります。
その一方で、目標については何となくわかるけれども、実際にどこで何が行われているのか? 私たちは個人として何が出来るのか?―というような疑問が、解決されないまま取り残されていると感じることはなかったでしょうか?
 今回の講座では、目標として定められた2030年を見据えながら、その歴史や実際の取り組み事例も含めて、もう一度改めて「SDGs」を基礎から学び直して視野を広げてみようと企画されました。

 「SDGs」に関心を持ち、これから取り組もうとしている方、すでに達成に向けて取り組みを進められている方など、中学生をはじめとした幅広い年代層の参加者をお迎えしました。

【歴史】
 講座前半では、「SDGs」の歴史について教えていただきました。
1992年の地球サミット以来、「気候変動」「生物多様性」「地球温暖化」「持続可能な開発」といった議題が、国連会議の中でも重要度を増していました。
 そして、2015年の国連サミットにおいて、国連加盟国193カ国が「私たちの世界を変革するために必要な持続可能な開発目標(17の目標と169のターゲット)を行動指針として、2030年までの達成を目指して掲げた『2030アジェンダ』が「SDGs」の始まりです。すでに当時の世界状況は、社会的にも経済的にも環境面でも、何らかの変革を必要とする危機的な問題を抱えていたことがきっかけでした。
 世界を変革するとは「社会の仕組みと、価値観を変えること」です。そのための国際社会の具体的な共通目標と行動指針が必要とされ、『2030アジェンダ』の採択は国連加盟国193カ国のすべての国が合意に至った画期的な出来事と言えます。

 以上のような歴史を知ることで、世界規模で進められて来ている「SDGs」の取り組みが、よりわかりやすくなったと思います。

【身近な取り組みのあれこれ】
 講座後半では、私たちの身近で行われている取り組みについて教えていただきました。

 私たちが日常購入している商品に、このようなマークが付いているのを見たことはあるでしょうか。これは「サステナブル・マーク(ラベル)」と呼ばれるもので、生産において持続可能な原材料を調達することなどにより生態系、生物多様性や環境、様々な社会問題への配慮等がなされているということを示す国際認証ラベルのことです。
 私たちがこれらの認証ラベルがついた商品を選択することによって、様々な環境保全活動にも参加貢献しているとも言えるでしょう。購入した商品のパッケージからサステナブル・マークを探し、それが意味するところを探ってみるのも、その商品の生産流通過程を知る上で重要なヒントとなるのではないでしょうか。
 世界には、以下のようなもっと強いメッセージ性を持った商品も存在します。これは、現在アフリカで多くの人が実際に飲んでいる水をボトリングした商品です。飲料水は透き通ったものという考えを持っている私たち日本人にとってはかなり衝撃的であり、言葉で説明されるよりもはるかに強い現実を突きつける力があります。

 次に、チョコレートの原料となるカカオについての話題です。

 カカオの生産から消費までの間には、様々な課題が存在しています。「SDGs」の17の目標のほとんどが該当していることからも、その複雑さや深刻さを窺い知れます。それは、まさに社会的にも経済的にも環境面でも、何らかの変革を必要とする状況にあるということを意味しています。

 17番目の目標には敢えて「パートナーシップで目標を達成しよう」というスローガンが謳われています。「持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」というターゲット本文(国連文書)の意味は、「目標達成のために必要な手段を強化し、世界のすべての人が協力しあい、これらの目標を達成しよう」ということです。つまり、複数の課題を一緒に解決していく視点を持つこと、そのためにはすべての段階に関わる多様な人々のパートナーシップ(協同)が重要になってくるのです。
 その他にも、毎日の暮らしのあり方を見直すための、衣食住に関わる環境負荷の少ない素材やリサイクル・リユースを考慮した製品について、現在国内で取り組まれている興味深い事例を紹介していただきました。

 講座の最後に、受講して感じたことについて近くの席の人と話し合いました。

【まとめ】
 「誰一人取り残さない」この理念の裏には、貧困や飢餓、不平等、経済格差、気候変動による影響等々、様々な問題に苦しむ人類の現況が存在しています。
「SDGs」とは、今この地球上で生きる私たちに投げかけられた一つの指針であり目標です。そしてそれは近い内に誰かを助けることにつながり、やがてはこの世界をより良い未来へ導く大きな流れにもつながっていくものなのではないでしょうか。
 豊かさや快適さの中で、知らずに見過ごしてしまっている大きな問題。それに気づくことが出来る広い視野を持つことが大切だということを感じました。私たちの日常に当たり前のように存在しているコーヒー1杯やチョコレート1枚から、遠い国で起きている問題を想像することは、実は容易なことではないかもしれません。それでも、生産者と消費者としてつながっているということもまた確かな事実です。遠くの問題は、私たちに関わる問題でもあるのです。
 今回の講座を通して学んだことは、問題に直面している当事者たちの深刻さを想像し、自分に何が出来るかを考えてみることで、私たちは初めて「自分ごと」として小さな一歩を踏み出せるのではないかということでした。
 講師を務めてくださった鈴木さん、ありがとうございました。
 講座に参加してくださった皆さん、ありがとうございました。



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