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TOPたまきさんサロンサロン講座「魚目線の川の中 〜環境調査と魚のはなし〜」を開催しました。
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「魚目線の川の中 〜環境調査と魚のはなし〜」を開催しました。

投稿日:2023/02/18

このイベントは終了しました。

 たまきさんサロンスタッフです。
 今回のサロン講座は、株式会社地域環境計画 自然環境研究室室長の後藤 健一氏をお迎えして、「魚目線の川の中 〜環境調査と魚のはなし〜」と題した講座を開催しました。



 今回の講座では、「自然環境調査」というお仕事について学びました。講師の後藤さんは、自然環境のコンサルティング会社で魚類についての自然環境調査のお仕事をされています。
 自然や生き物を相手にする調査の大変さや大切さを、普段なかなか目にすることの出来ない貴重な写真や動画を見ながら教えていただきました。
★自然環境調査とは?
 「自然環境(動植物)」を「調査」する仕事ですが、生きものについて調べるだけではなく、その結果をわかりやすく伝えるということも重要です。環境アセスメントなどで動植物調査が実施されています。
 ・対象地に生息する動植物を調査する。
 ・調査した結果を整理する。
 ・わかりやすい報告書(レポート)をつくる。
 ・困ったことに対して、解決方法を考える。
★環境アセスメントとは?
 「環境影響評価」のこと。大規模開発事業等による環境への影響を、事前に調査、予測、評価します。生物に限らず、水、大気、騒音、振動、景観なども含めた環境調査が行われます。環境保全の観点から、よりよい事業計画をつくるための制度です。
★魚類の調査
 
調査地にどんな魚がいるのか? 保全すべき魚(重要種)はいるのか? などについて、ほぼ1年間を通して準備、現地調査、データ集計分析といった仕事が行われます。
★調査方法
 大きくは2つの方法に分けられます。
・「魚をとる」:漁具を使って手や仕掛けでとります。
・「魚を見る」:偏光グラス、箱メガネ、双眼鏡、水中メガネなどを使い、水の外からあるいは水中に潜って観察や撮 影をします。
・その他に、川などの水を採取して、水中に浮遊している魚の遺伝子から魚の種類を同定する「環境DNA」という最新テクノロジーを使った調査方法もあるということです。
★調査で使う道具類
 実際の調査で使用する装備や漁具を、後藤さんに持って来ていただきました。初めて見る様々な道具類に、参加者の皆さんも興味津々の様子でした。


 【ドライスーツやウェットスーツ、長靴、胴長などを着用します】


 【完全防水の水中カメラ】


 【小型定置網】


 【電気ショッカー】



 【電撃ショッカーの実演(水中の魚は一時的にマヒします)】


 【サデ網(手前)、かご網(左上)、セルビン(右上)】


 【刺網(引っかかった魚は身動きがとれなくなります)】



 【意外に重い投網】

魚目線の川の中とは?
 今回の講座タイトルにもなっている「魚目線」で見るということは、魚と同じ目線で水中を覗いてみるということです。それによって自分の体で水の流れや水中の世界を直接実感でき、そこに棲む魚に対する理解も深まります。
・川の中全体を立体的に把握できる。
・警戒されずに、より魚に近づくことができる。
・水の流れ、水温、音を共感できる。
・他の魚や生き物との関係を垣間見ることができる。
 魚と同じ体勢で川の中に這いつくばっている後藤さんは、外観は奇妙な格好ではありますが、とても理にかなった水中観察をしているということがわかりました。

★撮影された魚目線の川の中
 実際に水中で撮影された写真や動画を見せていただきましたが、生きた魚たちのとても臨場感にあふれた表情を見ることができました。

 【ベニザケ】



 【アメマス(手前)/カワマス(奥)】


 【オショロコマ】


 【イトウ】

★まとめ

 様々な環境調査の中から、今回は魚類調査を取り上げてみましたが、川から海へ、また海から川へと生命の営みを受け継いでいく魚たちの生態を知ることができ、豊かな自然環境の大切さを考える良いきっかけになったと思います。その土地に生息している生き物を観察して、その生態を知ることが、環境保全にもつながっていくということを教えていただきました。
 また、今回の講座をとおして、豊かな自然を守るために活動されている自然環境調査員の姿も知ることが出来ました。
 後藤さん、そして講座にご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

★おまけ
 最後に外に出て、漁具の中でも扱いの難しい「投網」の投げ方を実演してもらいました。
 網にはたくさんの重りが付いているので、大きな投網になるほど重くなります。きれいに広がるように投げることが出来るまでには、かなりの練習が必要です。





 【青葉山新キャンパス初となる後藤さんの投網の実演でした!】





 【参加者も挑戦してみました!】



*講師の後藤氏のご厚意により、講演資料から多くの貴重な魚の画像を転載させていただきました。ありがとうございました。

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