「手製本を学ぶ―身近な材料と道具を使って豆本を作ってみよう!」を開催しました。
投稿日:2024/02/22
たまきさんサロンスタッフです。
1月27日(土)に和綴じ製本作家のながさわ ゆうこ先生を講師にお迎えして、「手製本を学ぶー 身近な材料と道具を使って豆本を作ってみよう!ー」と題したサロン講座を開催しました。
ながさわ先生は、仙台市内をはじめとした近隣の文化施設において、本の修理や和綴じの技術を多くの方に知ってもらうための講座や講習会を数多く開催されています。
豆本(まめほんとは、手のひらサイズ以下の極小本のことです。その歴史は古く、世界中で作られ、見た目の可愛らしさや携帯のしやすさから、長く愛されて来ました。今回の手製本講座では、身近な材料と道具を使ったオリジナルの豆本作りを通して「本の構造」や「製本技術」について学びました。
今回は、洋製本仕立てで豆本を作りますが、用紙(本文紙)を綴じる方法は
背の部分を糊付けして固める和綴じの製本の方法です。
大まかな工程は、三つです。
@中身を作る
A表紙を作る
B中身と表紙を合わせる
材料は「本文紙(ほんもんし」には「色上質紙」を使います。長時間読んでも目が疲れにくいように、クリーム色などに着色されている紙です。
【中身を作る】
今回は、104mm×74mmの上質紙40枚を二つ折りにし、山の部分を糊で貼り合せる「粘葉装(でっちょうそう)」という技法で中身を作ります。
1、二つ折りした山側を糊で貼り合せて背にし、同じく二つ折りにした見返し紙を一枚ずつ最初と最後に貼る。
2、背の部分を補強するために「寒冷紗(かんれいしゃ)」を貼る。
3、ささらで叩くようにして寒冷紗を密着させる。
4、「花布(はなぎれ)」(本文の背の天地(上下)両端に貼り付ける補強と装飾を兼ねた小さい布)と「クーター」(背幅のクラフト紙を筒状に丸めたもの)を中身の背に貼る。
【表紙を作る】
1、1mm厚さの紙を表表紙・背表紙・裏表紙の大きさに断つ。
2、表紙用の紙の裏に間隔をあけて1mm厚の厚紙を貼る(表表紙、背表紙、裏表紙)。
3、表紙紙の四隅を切り落とし、厚紙を包むように天・地・横・横の順に折り返す。
【中身と表紙を合わせる】
1、表紙と中身の背部分を糊で貼り合せる。
2、ゆっくりと表紙を閉じ、表紙の上から圧しつけるようにして背側に溝をつくる。(表紙が開きやすくなる)
3、「見返し紙」の利き紙の方を、表と裏のそれぞれの表紙裏に貼る。
4、重石をかけて糊が固まるまで固定する。
これで完成です!
※「寒冷紗」「花布(はなぎれ)」「クーター」は、上製本などでは背固め用の補強として貼り付けられるものです。「見返し」は、表紙と中身との接合部を補強する目的で貼られます。表紙の裏側の体裁を整え、見栄えのよい仕上がりとなります。
今回制作した豆本は、上製本(ハードカバー)と同じ製本の仕立て方で作られています。
長時間の細かい手作業でしたが、参加者の皆さんも時間内に立派な豆本を作りあげることができました。じょうぶでしかも開きも良い美しい仕上がりの本が手作り出来たことに、皆さん感動されていました。
なお、豆本の作り方には、今回とは違うやり方もあるので、違った製本にもチャレンジしてみてください。
先生によると、今回使用した製本専門の道具や材料を使わなくても、豆本は作れるということです。
材料については、花布はリボンなど、寒冷紗はガーゼや包帯、クーターは封筒などのクラフト紙でそれぞれ代用できます。
道具については、ささらは硬めの歯ブラシで、紙を折る際のへらは裁縫用の角へらでも代用できます。その他ここでは紹介しなかった道具もそれぞれ身近なもので代用できます。
【細かい作業に集中して取り組む参加者の皆さん】
まだまだ奥の深い和製本の世界ですが、たまきさんサロンではこれからも素敵な技術のご教授をお願いしたいと考えています。
講師のながさわ先生、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。
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