『廃泥土のリサイクル〜お花を植える土に変えよう〜』を開催しました。
投稿日:2022/07/07
たまきさんサロンスタッフです。
6月26日(日)にサロン講座「廃泥土のリサイクル〜お花を植える土に変えよう〜」を開催しました。
講師は東北大学大学院環境科学研究科 高橋 弘 教授。通常は産業廃棄物として捨てられる浄水場の発生土「泥土」を「園芸用の土」としてリサイクルする方法や、その活用方法を、土づくりを実際に体験しながら教えていただきました。
現在、地球上のあふれるごみを、なるべく減らす工夫がなされています。マイバックやマイ箸を持つのもそのひとつです。また、様々なリサイクルの取り組みがあります。
今回は、私たちの暮らしに大切な水に関するごみのリサイクルのお話です。
川や湖の水は、浄水場を通じ安全な水へと作り変えられます。仙台周辺には、釜房、大倉、七北田ダムなどがあり、それぞれ茂庭、国見、福岡浄水場で浄化されています。その際、原水から取り除いた小さな土砂や浮遊物などのごみが毎年、大量に発生します。このごみは「浄水発生土」と呼ばれます。
浄水場で1年間に発生する浄水発生土を家のお風呂に入れると、宮城県の分だけで約26,000個必要となり、全国では約100万個も必要になるそうです。
この浄水発生土も、工夫することで「園芸用の土」としてリサイクルすることが出来ます。
ちなみに茂庭浄水場では、リサイクルされた土を使い花壇を作ったことがあります。また屋上緑化や、伐採・抜根材の木材チップといっしょに道路工事などにも使用されています。このような緑化土は、実際には古紙や高分子系改良剤などを混合し、天日乾燥して作ります。今回は天日乾燥の作業が難しいため、高橋先生にご用意いただいた、摸擬の浄水発生土とキットを使用して「園芸用の土」を作る体験しました。
子どもたちは粉塵対策にゴーグルをつけました。
最初に水分の多い泥土に、細かくした古紙を混ぜます。
泥土と古紙を混ぜあわせ、ここで「魔法の粉」を入れてさらにかき混ぜます。
土に粘り気がでてきて、混ぜるのがみんなとても大変そうで、高橋先生の研究室から来た、鈴木さんと谷口さんが引っ張りだこになっていました。お兄さんたちに手伝ってもらい、子どもたちは大満足でした。作業を終えて、土が完成した後、日々草を植えてみました。
乾いているように見えるこの土には、実はたくさんの水が蓄えられています。これは作業中に加えた「魔法の粉」のおかげです。
先生からの「この粉は何だと思う?」との質問に、子供たちからは塩、砂糖などの答えが出ましたが、正解はおむつなどに使われている「吸水ポリマー」でした。ちなみに、紙などよりも吸水ポリマーは、はるかに高い吸収力を持つようです。
ちなみに津波が川に残していった土砂も、堤防の補強などに使われていたそうです。多賀城や利府を流れる砂押川では多量のヘドロが蓄積され川底がかなり高くなっていましたが、そのヘドロを排出しかさ上げが行われました。
仙台市地下鉄東西線の開通工事に出た泥土なども、リサイクルされ道路工事に使われたそうです。
また、子どもたちに、古紙が混ざっている土と混ざっていない土の切りくらべを実際に体感してもらいました。
今回学んだ手法は、「土壁」などの日本の伝統的な手法が原点だということです。
ヘドロや泥は、臭いし、どちらかというと厄介なイメージが強いものでした。大雨などの災害時には、大量の泥を手作業で除去しなければなりません。しかし、そのようなものでも工夫次第で再び資源として生まれかわることが出来ることを、みんなで楽しく学びました。
日本には、古くから循環的で無駄のない生活の知恵が溢れていました。古き良き伝統を見直し、次の世代に伝えていきたいですね。
参加してくださった皆さま、そして高橋先生、お手伝いいただいた鈴木さん、谷口さん、ありがとうございました。
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