「折り紙建築の世界 〜1枚の紙を切って折って空間を作る〜」を開催しました。
投稿日:2023/02/02
たまきさんサロンスタッフです。
今回のサロン講座は、宮城教育大学教授の菅原正則先生をお迎えして、「折り紙建築の世界〜1枚の紙を切って折って空間を作る〜」と題した講座を開催しました。
[菅原先生は、建築環境工学や住居学がご専門です]
「折り紙建築」は、建築物の立体的な特徴を表す平面と立面が描かれている図面を使って、線に沿って切ったり折ったりするだけで、誰にでも簡単に制作することが出来ます。
この「折り紙建築」という技法は、故・茶谷正洋(ちゃたに まさひろ)先生(東京工業大学名誉教授、工学博士、一級建築士)が創始された技法で、国内外で高い評価を受けています。
[菅原先生が茶谷先生から頂いた折り紙建築仕立ての名刺]
[ビデオ映像で「折り紙建築」がどんなものか予習します]
[はじめの制作課題は、建築家の安藤忠雄さんが設計した『光の教会』(上)と『住吉の長屋』(下)です]
少ない工程で制作できるので、練習用には最適です。
[建築物のプロポーションを立体的に見ることができます]
まず、先生が用意してくれた設計図を型紙にして、下に敷いたケント紙とテープで固定します。今回は、二つ折りにしたときにハガキ大になるサイズで制作します。
設計図の直線の角々を鉄筆(今回は墨だし用のカルコを使いました)で、上から紙に穴を貫通させていきます。すべての直線の交点を印としてケント紙に写し取らねばならないので、単純ながら根気のいる作業です。最後にケント紙を透かして、印の穴を確認しましょう。
次に、設計図と見比べながらケント紙の印を結ぶようにカッターナイフで切れ込みを入れていきます。紙に切れ目を入れるのは、通常のカッターナイフと、細かい作業ができるアートナイフと呼ばれるカッターナイフを併用します。
あらかじめ設計図には、完全に切り抜く線と、「山折り」「谷折り」の折り目を入れるために紙の厚さの半分だけ切れ込みを入れる線が区別されています。(「山折り」線は表側から、「谷折り」線は裏側から軽くなぞるようにカッターを入れます)
これを間違わないように注意して切ることがポイントです。
基本を学んだ後は、少し難しい『Blocks』と『白い舞台』の課題に挑戦してみましょう!
[細かい手作業が続きましたが、参加者の皆さんは集中して制作されていました]
[『Blocks』(上)と『白い舞台』(下)の完成形です!]
切り過ぎてはいけない線を切ってしまい悲鳴が上がる場面もありましたが、小中学生の皆さんたちが、とても器用に作業していて驚きました。
切り込みを終えて、最後に二つ折りにして立体化した時に、初めて建築物の形が現れるので、その時の驚きと達成感がうれしい、そんな楽しい講座になったと思います。
「折り紙建築」のルーツは、江戸時代に茶室や長屋の設計見本として作られていた、折りたたんで運べる「起こし絵画」に見ることができます。建築物の設計図面を、誰にでもわかりやすく現物をイメージできるようにするための、昔の人々の知恵です。
今回皆さんが苦労して作られた折り紙建築は、アート作品としても美しい物なので、記念にどこかに飾っていただけたらと思っています。また、今回の講座で「建築」や「折り紙建築」に興味を持たれた方は、型紙の付いた本も書店で販売されていますので、新たな「折り紙建築」にも挑戦してみてください。
菅原先生、学生スタッフの福島朋実さん、そして講座にご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。
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