生きものこぼれ話 令和6年度「春の生きもの観察会・押花ワークショップ」を開催しました!
投稿日:2024年07月01日(月)
今回の主役は雑草!?
この春、田子市民センターとの共催で「春の生きもの観察会・押花ワークショップ」を行いました。これまで見過ごしていた足もとの草花に注目してみたら、びっくり・わくわくがいっぱいでした。
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今回の観察会は、七北川下流エリアにある田子市民センターで押花を使ったしおり作りを体験したあと、お隣の田子二丁目公園で植物探しゲームを行うという二部構成で実施しました。
公園のサクラ越しに望む田子市民センター
はじめに、田子市民センターと仙台市環境共生課の職員から開会あいさつや今回の開催趣旨などをお話ししたあと、講師の向井康夫さんが登場。
「むかい*いきもの研究所」代表で「むかっち博士」の愛称でもお馴染みの向井さんは、自然体験や生き物観察、観察道具の開発など、さまざまな角度から自然を身近に感じて楽しく学べるような活動を展開されています。
「むかっち博士」こと向井康夫さん
第一部では「押花しおり」作りを行いました。
野鳥が描かれた台紙に押花からとれた素材を貼ってしおりを作る手芸のワークショップです。
作業に入る前に、第二部の観察会で出会えそうな植物たちについてのクイズを行ってから、しおり作りがスタートしました。
まずクイズで植物のことを知ろう
それでは、実際に作ってみましょう。スズメ、ツバメ、キジ、カワセミなどから好きな野鳥の絵が描かれた台紙を選んだら、次に、そこに貼っていく押花素材を選びます。
いろんな形があって迷っちゃう
さて、どんな素材があるのでしょうか?
……おお、なんともラブリーな形!
まるで星みたい!
これは春の七草でもおなじみ、ハコベだそうです。花も可愛らしいのですが、密かにこんな部位を備えていたとは侮れません。ほかにもキレイな色・面白い形をした8種の押花素材が揃いました。
上段左からヒメオドリコソウ、カタバミ、ノボロギク、カラスノエンドウ
下段左からシロツメクサ、スズメノカタビラ、スギナ、タネツケバナ
選んだ素材を貼り絵のように台紙に貼り、ラミネート加工すれば完成です。みんな思い思いに「鳥と草花」の世界を創りあげていきます。
世界にひとつだけのしおりが完成!
ワークショップで使った押花素材は、市民センターの敷地と隣の公園に自生する草花からとれたもの。そう、日ごろ一括りに「雑草」と呼ばれ、見過ごされがちな草花たちが今日の主役なのです。
そして、草花のひとつひとつに名前があり、それぞれがユニークな形や特徴を備えていることを知って次第に興味がわいてきたところで、第二部は隣の田子二丁目公園に移動し、学んだりさわったりした植物を実際に採集・観察してみます。
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フィールドは、市民センターと小学校に挟まれた、子どもたちにはお馴染みの公園。この「いつもの」場所で、植物カードを使って公園内に自生する草花を探すというゲームを行いました。
探す植物はカードを引いて決めます
事前に公園の草花をリサーチして作られた植物カードには、写真と共に、形状・好む場所などといった、植物を見つけるためのヒントが載っています。引いた植物カードをバインダー式の野外観察キットに挟んで、見つけた草花を確認したり、押花用に採集したりしていきます。
公園内のいろんな場所を探しに
「いつも遊んでいる場所だし、写真もヒントもあるから楽勝!」と思いきや、似ている草もあったりして、けっこうムズカシイ。
下見の時には確かに生えていたはずの場所に、今は他の種が繁っていたりと、わずか2週間ですっかり様変わりする春の植物の勢いや、たくさんの種が複雑に影響しあう様子に驚かされました。
トレジャーハンターのまなざしになった子どもたちの「(むかっち)はかせ〜」というヘルプを求める声や、「ゲット!!」といった発見の雄たけびが公園中を飛び交います。
カードとよく見比べよう
教えて! むかっち博士
その後再び市民センターへ戻り、今度は見つけた草花を顕微鏡で拡大し、細部をじっくり観察しました。
例えば、シロツメクサの花だと思っていた丸い部分は小さな花の集まりでできていること等、草花たちが秘めていた精緻で複雑な別世界に、子どもたちは夢中です。
むかっち博士オリジナル「ライト付き顕微鏡」
花を観察するときの持ち方も教わりました
最後は向井さんから、講評や押花の保存整理や活用方法、夏休みの自由研究のヒントなどをうかがって閉会となりました。
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植物探しゲームを行った田子二丁目公園では、事前調査で24種の草本植物が確認されています。住宅地の「ふつうの公園」は、私たちが想像していた以上に多様で豊かな場所だったようです。
ミクロとマクロを行き来しながら、さまざまなサイズ感と切り口で植物に出会った子どもたちからは、「生きものを探すのが面白くてもっとやってみたかった」「草花しおりコレクションを作ってみたい」という声もきかれました。
遠くの山や川まで行かなくても「いつもの場所」に目を向けることで、自然や生きものに出会い、生物多様性を学べること、そのコツや面白さ、などを体感してもらえたようです。
最後に、みんなが作った「押花しおり」をご覧ください。すべてを紹介できないのが残念ですが、どれも個性的で本当にステキでした!
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